皆様、こんにちは。
数原有希子です。
突然ですが、こちらの野菜たち、ご覧になられたことはありますか。
(写真をクリックすると拡大します)
そうです!長崎県の伝統野菜です!
今日は、この長崎の伝統野菜を次世代に繋ごう!と取り組んでいる、
諫早農業高校の生徒たちの取り組みをご紹介致します。
「伝統野菜」。時々耳にする言葉ですが、
諫早での日々の暮らしでは、あまり食卓にのぼるものではありませんよね。
伝統野菜は、地域独特の品種として、古くから自家採種、自家栽培が行われ、
地域の食文化と密接に繋がってきたもので、京野菜や加賀野菜などが有名です。
しかし、農家の減少、生産者の高齢化、栽培条件が厳しくコストもかかるため、
長崎の伝統野菜は生産量が少ないのが現状です。
そのような現状を知り、「長崎の伝統野菜を守り、未来に繋げたい!」
と立ち上がったのが、諫早農業高校 バイオ園芸科 生物工学部の生徒たち。
授業で、伝統野菜について学んだことをきっかけに、
生産量を増やし、多くの人に食べてもらいたい!
長崎らしい野菜に付加価値をつけて、産業にしたい!
でも栽培が難しいんだよね。。。
そうだ!。スプラウトなら栽培できるかも!と思い立ち、
平成27年から、部活動の一環として、
伝統野菜のスプラウトを栽培する研究を始めたそうです
こちらが、長崎県立諫早農業高校。(正面玄関)
学科別に、それぞれ専門的な知識が身に付くことから、
入学希望者が多く、
専門分野や公務員への就職率が突出している人気の高校です。
こちらがバイオ園芸科の建物。
授業や実験などはこちらで行われています
部屋の中は本格的な研究室!ラボです!
研究しているのは、
雲仙こぶ高菜、長崎赤カブ、長崎白菜、長崎高菜、長崎赤カブ
もちとうもろこしの6種類。
取材に伺った日は、
前日に種を植えたばかりでしたが、すでに芽が出始めていました。
スプラウトを栽培する研究は着々と進んでいて、
種蒔きから1週間ほどで、商品化できるようになったそうです。
こちらは、もちとうもろこしの種。
もちとうもろこしは、我らが諫早の伝統野菜です!
ひと粒ひと粒、丁寧に植えつけています。
これは種が大きいのですが、
ほかのスプラウトの種は、
とても小さくて扱いづらく、地味な作業。
温度や水分管理も難しいそうですが、
皆さん、実験が大・大・大・大好き!!!
成功したら、もっと頑張ろう!と思い、
失敗しても、次はどうしたらうまくいくのかな?と考えるのが
とても楽しいそうです。
初々しい笑顔 💛
(この日お休みの生徒も含め、部員は10名ほどで、活動は毎日)
ある生徒さんは、「母が花が大好きで、いとこの家が農家なので
農業に興味があって入学しました。実験はとても楽しいです」とのこと。
この一年の記録は、こんな分厚いファイルにまとめられていました。
研究は、単年度のものではなく、毎年、先輩から後輩に受け継がれているところも
素晴らしいところです。
その「絆」が形となり、高校生たちが研究の成果を競う大会では
4年連続、九州大会に出場。
食品メーカーとの商品開発も進んでいて、
今後は、生産拡大とともに、栄養価を高める実験にも取り組まれるそうです。
ふわ~っと香り豊かなものから、
わ~!この辛さがたまらない!と虜になるものまで、様々。
彼らが育てたスプラウトを食べてみたい♬、と思われた方は、
11月の農業祭(諫早農業高校)、
12月の諫農マーケット(アエル商店街)などで販売されます。
ここだけの話ですが、
研究費用はすべて部費でまかなっているため、
お財布事情をお察しのうえ(*^^*)
是非、買って食べて、応援してあげてください♬
「長崎の伝統野菜を守り、未来につなげたい!」
と笑顔で語ってくれた皆さんは、諫早の宝!日本の宝!
この取り組みが、地域の農業の活性化に繋がることを
心から願っています。
諫早農業高校 バイオ園芸科 生物工学部の皆さん。
頑張ってください!
応援しています!
文 : 写真 / 数原有希子(野菜ソムリエPRO)