輝く人

女性消防団員募集中!~地域防災に女性のチカラを~

女性消防団ってご存知ですか?
昨年、諫早市の女性消防団は全国大会で大活躍でした。
(平成29年に秋田で開催された「全国女性消防操法大会」で、優秀賞(7位)を獲得)

私は、今年、防災士資格取得のため、救命救急講習を受講したのですが、その際、女性消防団の方にお世話になりました。
直接お話をさせていただくと、皆さん、明るくて、楽しくて、素敵な方々。
「なかなか入団してくれる女性がいなくて困っているんですよ~」と伺い、「だったらPR活動に協力させてください!」ということで取材をさせていただきました。

月に1回、消防署で開催されている定例会議に伺うとこんな雰囲気(#^^#)なにやらとっても楽しそうです。
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皆さんに「入団したきっかけは何ですか?」とインタビューすると
「近所の団長さんに言い含められた(笑)」とか
「じーちゃんを通してお願いされた」「夫が消防団員だったから」などなど。
自分から応募される方が少ないのは、あまり存在を知られていないからかもしれませんね~。

ということで、女性消防団の活動についてご紹介します。
消防団というと消防士と同じ役割を担うものだというイメージがあり、ハードな訓練や体力が必要という誤解があるかもしれません。

もちろん、消火活動や後方支援などの活動もありますが、女性消防団員は、一人暮らしの高齢者宅の防火訪問、地域の防災教育や応急手当の普及指導で特に活躍されています。

全国では約25,000人の女性消防団員が活躍中ですが、諫早市は現在、10人の方が活動しておられます。
年齢は20代から50代まで、職業も、会社員から看護師、主婦など様々です。
とっても素敵な方々ですよ!

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いつもはこんな格好ではありませんが、この会議の日は、1月10日に開催される消防出初式の行進の練習があって、この制服を着ておられました。
それがなんともカッコいい!全国でも赤の制服は珍しいそうです。

「活動で楽しいことは何ですか?」と聞くと
「こうやって、皆でワイワイと話をすることです。」
「辛いことは?」には「辛いこととかないですね~」
だそうです。

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お話を伺いながら、私たち諫早もりあげガールズとの共通点を見つけました。それは、そもそも友達ではなかったけど、メンバーとして一緒に活動していく中で、仲良くなって、協力して、まちのために自分にできることをやろうとしていること。だから共感できたのかもしれません。

活動は、基本自由参加で、できる範囲で無理なく続けられます。市外の仲間や地域の方々との交流もあり、楽しい活動だそうです。

「活動のメリットは?」」と聞くと「本物の消火器を使えること」や「防災に関する知識が降れること」「自分自身も成長できること」と答えてくださいました。

消防活動は、いざというときのために備えることができ、地域のつながりを育む大きなやりがいがある活動だと思います。
基本的にはボランティア活動ですが、一部、活動手当等も支給されます。
あなたのチカラを地域のために活かしてみませんか?

毎年1月10日には、消防出初式が開催され、彼女たちも出場されます。
商店街でのパレード(11:20~)や、本明川での一斉放水(12:10~)もかっこいいですよ~。
興味のある方は見学されてみてはいかがでしょうか?

放水本明川
(一斉放水の写真は、諫早市公式FB「諫早日和」より)

※ 女性消防団に入団希望の方は、諫早市役所の消防防災担当にご連絡ください。
電話0957-22-1500(総務課 消防防災担当)

文/村川美詠
写真/川原孝子(フォトグラファーMILK)

トイレ検索士「明日は我が身の視点で・・・」

諫早市在住の社会福祉士、豊福和範さん
あるご縁があって、取材させていただきました。
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豊福さんは、自らを「トイレ検索士」と名乗り、障害者や子育て中の方が使いやすいトイレの調査をされています。その数約2,000か所(実数)
10年の月日をかけ、全くのボランティア(自腹)で県内を巡り、調査した結果は、自身のホームページで紹介をされています。

ホームページを見ると、市町村別(地区別)にトイレの住所、外観の写真、便器の様式、手すりの位置、ベビーベット・ベビーチェア・駐車場の有無に至るまで丁寧に表示されています。すごい!

「どうしてそんなことをしようと思ったのですか?」
と尋ねると「それは、やはり”明日は我が身”ということですね。」と答える豊福さん。

そもそもは、介護施設に勤務していた際、利用者の外出行事のために、目的地と道中のトイレ(特に洋式トイレの有無)を事前に調査していたことがきっかけだったそうです。

また、同じ頃に、我が子の育児が始まり、父親でもおむつ交換ができる場所を知りたくて、公衆トイレのベビーベットも調べるようになったとのこと。

さらに、ご本人が脳梗塞を発症し、リハビリを経験する中で「多目的トイレといっても、障害の部位や程度によっては使いづらいトイレがある。」ということに気づき、手すりの位置やオストメイト、大人用シートなどについても詳しい調査をされるようになりました。

「こんな経験をした私だからこそわかる、当事者や介護者にとって利用しやすい設備や公衆トイレの重要性を訴えていきたい。」と豊福さんは言います。

お話を聴いて特に印象的だったのは、「排泄を失敗した場合の視点」ということでした。特に車いす利用者は、運動力が少なく、内臓への刺激も少ないため、自力で排便することが困難で、服薬による排便となるため軟便になりやすく失敗することが多い。だから、失敗した時にどう回復できるか(具体的には、トイレの中で安心して着替えられて、汚れた下着や服を洗うことができる等)という視点が大事なのだそうです。

最後に「何か伝えたいことはありますか?」と尋ねると
「多くの健常者が、明日は我が身という視点をもって、トイレに関心をもってくれると嬉しい。そして、自分のホームページをできるたけ多くの人に知ってもらって、必要な人に活用してもらいたい。」ということでした。

「どこかの誰かのために」そんな思いで真摯に活動されている豊福さんには本当に頭が下がります。ここで紹介させていただくことで、情報が広がっていったらいいなと思います。

写真、文/村川美詠

長崎の伝統野菜を守り、未来に繋げたい。~諫早農業高校生の取り組み~

皆様、こんにちは。
数原有希子です。
突然ですが、こちらの野菜たち、ご覧になられたことはありますか。
(写真をクリックすると拡大します)

長崎の伝統野菜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうです!長崎県の伝統野菜です!
今日は、この長崎の伝統野菜を次世代に繋ごう!と取り組んでいる、
諫早農業高校の生徒たちの取り組みをご紹介致します。

「伝統野菜」。時々耳にする言葉ですが、
諫早での日々の暮らしでは、あまり食卓にのぼるものではありませんよね。
伝統野菜は、地域独特の品種として、古くから自家採種、自家栽培が行われ、
地域の食文化と密接に繋がってきたもので、京野菜や加賀野菜などが有名です。

しかし、農家の減少、生産者の高齢化、栽培条件が厳しくコストもかかるため、
長崎の伝統野菜は生産量が少ないのが現状です。

そのような現状を知り、「長崎の伝統野菜を守り、未来に繋げたい!」
と立ち上がったのが、諫早農業高校 バイオ園芸科 生物工学部の生徒たち。

授業で、伝統野菜について学んだことをきっかけに、
生産量を増やし、多くの人に食べてもらいたい!
長崎らしい野菜に付加価値をつけて、産業にしたい!
でも栽培が難しいんだよね。。。
そうだ!。スプラウトなら栽培できるかも!と思い立ち、
平成27年から、部活動の一環として、
伝統野菜のスプラウトを栽培する研究を始めたそうです

 

こちらが、長崎県立諫早農業高校。(正面玄関)

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学科別に、それぞれ専門的な知識が身に付くことから、
入学希望者が多く、
専門分野や公務員への就職率が突出している人気の高校です。

こちらがバイオ園芸科の建物。

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授業や実験などはこちらで行われています

部屋の中は本格的な研究室!ラボです!

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研究しているのは、
雲仙こぶ高菜、長崎赤カブ、長崎白菜、長崎高菜、長崎赤カブ
もちとうもろこしの6種類。

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取材に伺った日は、
前日に種を植えたばかりでしたが、すでに芽が出始めていました。
スプラウトを栽培する研究は着々と進んでいて、
種蒔きから1週間ほどで、商品化できるようになったそうです。

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こちらは、もちとうもろこしの種。
もちとうもろこしは、我らが諫早の伝統野菜です!

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ひと粒ひと粒、丁寧に植えつけています。

これは種が大きいのですが、
ほかのスプラウトの種は、
とても小さくて扱いづらく、地味な作業。
温度や水分管理も難しいそうですが、

皆さん、実験が大・大・大・大好き!!!

成功したら、もっと頑張ろう!と思い、
失敗しても、次はどうしたらうまくいくのかな?と考えるのが
とても楽しいそうです。

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初々しい笑顔 💛

(この日お休みの生徒も含め、部員は10名ほどで、活動は毎日)

 

ある生徒さんは、「母が花が大好きで、いとこの家が農家なので
農業に興味があって入学しました。実験はとても楽しいです」とのこと。
この一年の記録は、こんな分厚いファイルにまとめられていました。

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研究は、単年度のものではなく、毎年、先輩から後輩に受け継がれているところも
素晴らしいところです。
その「絆」が形となり、高校生たちが研究の成果を競う大会では
4年連続、九州大会に出場。
食品メーカーとの商品開発も進んでいて、
今後は、生産拡大とともに、栄養価を高める実験にも取り組まれるそうです。

 

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ふわ~っと香り豊かなものから、
わ~!この辛さがたまらない!と虜になるものまで、様々。
彼らが育てたスプラウトを食べてみたい♬、と思われた方は、
11月の農業祭(諫早農業高校)、
12月の諫農マーケット(アエル商店街)などで販売されます。

ここだけの話ですが、
研究費用はすべて部費でまかなっているため、
お財布事情をお察しのうえ(*^^*)
是非、買って食べて、応援してあげてください♬

「長崎の伝統野菜を守り、未来につなげたい!」
と笑顔で語ってくれた皆さんは、諫早の宝!日本の宝!
この取り組みが、地域の農業の活性化に繋がることを
心から願っています。

諫早農業高校 バイオ園芸科 生物工学部の皆さん。
頑張ってください!
応援しています!

文 : 写真 / 数原有希子(野菜ソムリエPRO)