グルメ

株式会社 菓秀苑森長
創業220余年の老舗が届ける諫早のおこし

【住所】本社工場:長崎県諫早市幸町38-30 (日曜休)
八坂町本店:長崎県諫早市八坂町3-10 (元旦のみ休)
【電話番号】工場:0957-21-2121 本店:0957-22-4437
【URL】http://www.kashuen-moricho.co.jp/

諫早のお土産・・・。

最初に思いつくのはもちろん「おこし」

古くから稲作が盛んに行われていた長崎県下の米どころ「諫早」

秋の収穫時には、祝い菓子として各家で米菓子がつくられ神前にお供えされていたそうだ。

 

寛政5年(1793年)創業の菓秀苑森長(旧社名 森長おこし本舗)

4代目・5代目は同じ森 長四郎(もり ちょうしろう)氏を名乗り、森長(もりちょう)の名前の由来となった。6代目森 長之(ながゆき)氏、7代目の森 淳(あつし)氏になった現在も地元の人からは「森長(もりちょう)さん」と親しまれ、220年以上も「おこし」を作り続けている老舗中の老舗である。

 

豊かさの象徴であったお米と砂糖をふんだんに使う「おこし」。

米どころで余剰米があったことに加え、「シュガーロード」といわれた「長崎街道」がとおる諫早では貴重な輸入品だった「砂糖」が比較的容易に手に入ったことも「おこし」誕生のきっかけと言われている。

 

森長を代表する「黒おこし」には黒砂糖の粒がたっぷり入っていて独特の香ばしさと歯ごたえが特徴である。

特に黒砂糖の粒が大きいものに当たった時は「ラッキー!!」と得した気分になってしまう。

 

製法としては、乾燥させた乾飯に黒砂糖と水あめを混ぜて熱しながら攪拌するというもの。

温度、湿度、黒砂糖や米、水あめの配合率など絶妙なバランスが要求されるおこしづくり。

材料を攪拌して「おこし」として上げるタイミングは、手で握った感覚で判断するとか。

その工程はなんと諫早市幸町にある工場で見学ができる。

事前に予約、申込みが必要になるが、5~6人程度の少人数から社会科見学のような団体まで受入れ可能だ。

 

創業から昭和40年代までの約180年間はおこしだけを販売していたが、時代の変化とともにさまざまな商品開発にも積極的に取り組んでいる。

 

創業200周年にあたる平成5年には昭和の戦前まで製造されていた「黒おこし」の復刻版を発売。

木枠に流し、手で延ばす昔ながらのスタイルで作り、包装紙・個装袋も昭和初期に使われていたものを復元。昔ながらの懐かしい味を堪能できる。

また、この復刻版黒おこしは平成21年の全国育樹祭の出席のため長崎にいらっしゃった皇太子殿下の休憩時のお茶菓子としても採用されたそうだ。

「懐かしいレトロな感じがいい!」「これぞ諫早!」と好評だ。私もこの復刻版をお土産にすることが多い。

 

7代目社長の森淳氏は、佐賀で塾経営をされていたが、森長之(ながゆき)氏の娘で森長の常務取締役である珠子氏との結婚を機に入社。平成20年に社長に就任された。諫早商工会議所青年部会長、八坂町神輿会会長、諫早小学校PTA会長などを歴任。先代の森長之氏とともに自社の経営のみならず、地元諫早の経済、文化、教育の発展のため、日々多大な貢献をされている。

 

老舗ながらも新しい風を・・!と先代の長之氏の甥で東京でコンサルタント会社を経営、森長の営業本部長でもある若杉和哉氏が商品開発に加わってからできた商品が「半熟生カステラ」と「ぷちおこし」だ。

 

長崎伝統のカステラ、それを進化させた「半熟生カステラ」は発売と同時に爆発的人気で楽天市場とYahoo!ショッピングで上位にランクイン!多数のメディアからも注目され、平成21年の発売以来12万個超と大ヒット商品となり、今もなおヒットし続けている。

 

「おこしは昔のお菓子じゃない!!」と世に知らしめた商品も開発。

「puchi OKOC」(ぷちおこしー)はおこし自体の大きさも摘まめるサイズで食べやすく、数種類の味とパッケージもかわいい感じで、お土産にも最適!と好評だ。

 

「伝統を守り、革新を追い求める」

 

企業コンセプト通り220余年、古くからある伝統の技法や製法、心意気をしっかり守りながら、今の時代に合った感性で新しいものも生み出し、チャレンジを続けている菓秀苑森長。

 

昭和5年に建てられた八坂町本店は昭和32年の諫早大水害の床上浸水にも耐え、平成26年の現在もそのままの姿で諫早の町とともに歴史を刻み続けている。

 

記:原田千桂子

写真:川原孝子(MILK)

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